自分が発見した相手の宝物を褒めよう
相手がもっている「宝物」(長所)を発見することが、「つかみ」となります。
稼げるチャットレディは初対面の相手と30分以上、会話がとぎれないようにするために、「私は、これがあなたの宝物だと感じました」と伝えることを効果的に使っています。
伝えなければ、相手は気づいてはくれません。
就職活動も婚活、合コンも、じつは本質は同じなのではないでしょうか。
その会社に入社したいという思いを伝えるとき、人事担当者の心に向けて、「この気持ちよ、矢のように届け、届け」と願って、言葉を選んで気持ちをこめて届けるのではありませんか。
その際に希望する企業をほめ続けるのではなく、「私は御社に○○という宝物を発見し、とても感動しました。御社でその感動を共有したい、そして自身もそれを社会に発信したいと考えました」
と伝えるほうが誠実さや意気込みが伝わります。
相手の「宝物」を見つけ、「発見しましたよ」と発表することを、俗に「ほめる」とも言いますが、唐突にほめると、社交辞令の「おべんちゃら」か「お世辞」にしかとられません。
また、相手を「よいしょ」するようで抵抗のある人もいるでしょう。
でも、私は「ほめる」のではなく、「感動したことを素直に伝える」というようにとらえています。
この考え方もチャットレディとしてに身につけたものです。
「出会いによって生まれた、相手と自分の間にある点線を太い線にしたい」と考えるようになって以降の私は、そのときのリアクションや言葉で「感動したこと」を伝えるよう心がけました。
それは現在の私の習慣になっています。
たとえば、婚活や合コンで出会った異性を無神経に「ほめる」より、「あなたに出会って私は心が動いた」と感動したことを素直に伝えるほうが、相手の心にしみるのではないでしょうか。
ところで、誰もが「自分がどのように見られているのか」ということに深い関心を抱いています。
それを他人に聞いてみたい、でも、直接は聞けない、という心理が働くものです。
だから、トレジャーハンターのスタンスは、「僭越ながら、私が感じたあなたの魅力を発表させていただきます」といった感じでしょうか。
では、相手の何を、どこを、どのようにほめれば、すぐにうちとけることができるのでしょうか?
たとえば、次に紹介するようなことを参考にしてください。
相手のこだわりに心が動いたことを素直に伝えましょう。
最も簡単なのが、ファッションや小物に着目することです。
ピアスやネックレストップの材質やブランド、そして髪型にも少しずつ個性が反映されています。
ほめポイントは小さなところ、人が見つけづらいところであるほどよいということにも気づきました。
あなたが女性で、婚活のパーティで素敵だな、と思える男性を見つけたとしましょう。
たとえば、ネクタイの色とチーフの色を揃えている男性であれば、「○○さんはファッションの小物づかいがお上手ですね。そのネクタイとチーフの色を合わせるのは、ファッション上級者のワザです」
と、具体的に口にするのです。
「○○さんの携帯電話は、最新の○○ですね。最先端の情報ツールを使いこなしていらっしゃるのは、さすがです」
と、小さなものに着目すると、より効果的です。
と言うのは、「こんな小さなものまで見てくれていたのか」と相手が感動するからです。
相手は「そこに気づいてくれたのか」と感激するはずです。
特にファッションにこだわっている人には有効です。
ですから、相手の靴、バッグ、アクセサリーなどもきちんとチェックしておきましょう。
品定めとは違いますので、くれぐれもジロジロ見るのは厳禁です。
さりげなくチェックするには、最初に全身を俯瞰するように眺めること。
その次に視線を合わせたときに首まわり(ピアス、ネックレス、ネクタイ、シャツの襟の形など)を見ます。
目線をテーブルに落としたときに、相手の手首(時計、カフスなど)にピントを合わせます。
相手のセンスやこだわりをほめる際のポイントは、
○声に出して話しながら、そのものを見る
×別の話をしながら見る
です。
別の話をしながら見ていると、相手は、自分の話はそっちのけで自分の持ち物の品定めをされているように感じます。
相手のこだわりをほめることの大きな副産物は、「センスの違いに気づく」というあなたのセンスを相手に伝えられることです。
間接的に「私も違いがわかる人間です」「あなたと同じセンスをもち合わせています。共通言語でお話しできます」というサインを送ることになるのです。
たまに同じブランドの愛好者に出会うと、「同好会」意識が芽生えますね。
一瞬にして好きなブランドが同じであることは、感性が似ていることの証明だからです。
相手もそのことに気づいて、「この人とはセンスが似ているわ。仲よくなれそう」と感じます。
だから初対面の1分間でうちとけることができるのです。
女性同士の場合なら、こんなトークも効果的です。
「○○さんの、そのスカーフ、とてもお似合いですね。差し支えなければ、どちらでご購入されたものか教えてください」
「ピアスとっても素敵です。大振りでなく小さく、髪をかき上げる際にちらりと見えるので、先ほどから気になっています」
つまり「あなたはセンスがいいですね」「あなたのセンスにあこがれます」と告げているようなものなのです。
相手が気分よくなるのは当然です。
次に紹介する「まねしたくてもまねできない雰囲気」を率直にほめることは、ほめる側の感性と表現力が問われるものです。
しかし、いわゆる「大物オーラ」を発している人になら誰にでも使えます。
とは言うものの、日頃使っていないと、雰囲気をほめる言葉はすぐには出てこないもの。
そこで「こういう人に出会ったらこういったほめ方をしよう」というフレーズを先にストックしておき、それをアレンジして使うことをおすすめします。
「これはいい言葉だ」と感心したフレーズを書き留めておきます。
そして相手にふさわしい言葉を思い出して使うのです。
「○○さんは、優秀なスタッフを集める磁石をおもちなのではないですか?」
「○○さんは、大海に落ちたダイヤを見つけ出すような眼力をおもちですね」
「○○さんは、まるで暗い海を照らす灯台のような人ですね」
こういった目に見えないけど、本人が放つ雰囲気や印象をほめると、「なるほど、私はそのように相手の目には映っているのか」といった発見が促されるかもしれません。
そうです、なんと相手も自身の「宝物」を発見するトレジャーハンターに変身するかもしれないのです。
それは非日常的なことです。
だからインパクトが大きいのです。
相手が醸し出す雰囲気をほめるとは、いわば「私はあなたの独特の個性が気に入りました」と告白しているようなもの。
相手は気分をよくすることはあっても、憤慨することはありませんので堂々とほめてみましょう。